今回も第6話に引き続き、
何をやっているかが曖昧な入試頻出問題について、なるべく簡単な言葉を使って説明していけたらと思います。
今まで曖昧だったところが少しでも解決できたらと思います。
さて、早速今回の問題に入りましょう!
受験生の2人に1人が利用する圧倒的なわかりやすさ!まずは無料でお試し。入試頻出問題【前半】(定数 \(a,b\) を求めよ)
問題の特徴を捉える(はじめに)
例
$$等式 \lim_{x→1}\frac{a\sqrt{x+3}-b}{x-1}=1 が成立するように,定数 a , b の値を求めよ。$$
数Ⅲの極限ではよく見る問題です。解き方は知っているが何をしているかよくわからなくてモヤモヤしている人もいるのではないでしょうか?
さて、この問題をじっくり見ていきましょう。
まずは、不定形かどうかのチェックです(まあ、大体入試問題で扱われるものなんて不定形であることが多いですが。)。
分母が「0」に収束してしまうので不定形ですね?
では、この不定形を回避する方法の前に準備があるので、それをまずチェックしましょう。
準備(関数の極限の性質)
ココでは今回説明するときに必要な性質を紹介しておこうと思います。
【性質】
$$\lim_{x→a}f(x)=α , \lim_{x→a}g(x)=β とするとき以下のことが成立する$$
$$\lim_{x→a}f(x)g(x)=αβ$$
今回使用するのは↑この性質だけです。
この性質では、収束する(発散しない)もの同士の積は、収束値同士の積になるということを意味しています。
ココで大事なのは「収束するもの同士の積」なら計算できるということです。
では、本題に戻ります。
入試頻出問題【後半】(定数 \(a,b\) を求めよ)
では、実際に解いてみましょう。今から記述するのは以下の3つの内容です。
- 全体(問題)が収束することを確認しましょう(本当に見るだけでよい)。
- 分母が「0」に収束することを記述しましょう(ここは記述したほうが良い)。
- 「全体」と「分母」を掛け算して「分子」を抜き取りましょう。
記述します。
$$\lim_{x→1}\frac{a\sqrt{x+3}-b}{x-1}=1 (←今回は記述します)$$
$$\lim_{x→1}(x-1)=0 であることから (←分母が収束することを記述)$$
$$\lim_{x→1}\frac{a\sqrt{x+3}-b}{x-1}・(x-1)=\lim_{x→1}({a\sqrt{x+3}-b})=1・0=0 …①$$
これで、分子が「0」に収束することが説明できました。
実は、難しい(何となくモヤモヤする)のはココだけなんです。
収束するもの同士を掛け算して「分子」を取り出して「分子」も収束することを説明しただけだったんです。
ただ、↑うえの【準備】のところが曖昧な人は、ココが「何となくモヤモヤする」感じになってたってことです。
教科書や参考書には「サラッ」と書いてありますし、
「分母が0に収束するとは分子も0に収束する!」なんて暗記になってしまうと曖昧さが残ってしまうのです。
さあ、それでは最後まで一気に記述しましょう。
①より
$$2a-b=0 となるので b=2a …②$$
このとき
$$\lim_{x→1}\frac{a\sqrt{x+3}-b}{x-1}=\lim_{x→1}\frac{a\sqrt{x+3}-2a}{x-1}=\lim_{x→1}\frac{a(x+3-4)}{(x-1)( \sqrt{x+3}+2)}$$
(↑最後は分子の有理化しています。)
$$\lim_{x→1}\frac{a}{\sqrt{x+3}+2}=1 より \frac{a}{4}=1$$
$$ゆえに a=4 $$
$$したがって ②より b=8$$
まとめ
最後までお疲れ様です。
どうでしたか?曖昧さが少しでもなくなったらうれしいです。
今回の問題は、基本事項をしっかり押さえることで「モヤモヤ感」なく計算することができました。
「基本」って大事ですね(改めて思った)。
それでは、今回はこれくらいで。
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