絶対値の場合分けをじっくりマスターしよう

数学勉強法

さて今回は高校数学で初登場の絶対値の「場合分け」にチャレンジしてみましょう。

「場合分け」といわれたら、なんか色々あって複雑そう・・・

てなイメージがあると思うのですが、実際には真逆で

複雑なものを分けて考える(困難は分割せよ!byデカルト)ことによって簡単に考えられるようにしよう!

ということなんです。

どうですか?少し「やってみようかな?」ってなりましたか?

はじめに

初めに、絶対値とは「原点からの距離」です。ここで難しいと思った人は、「距離」だけに注目しましょう。

「距離」と言われれば、必ず0以上の値を取りそうだということがわかるでしょう。

そうなんです。絶対値は必ず0以上の値なんです。

例えば\(|-2|=2\)のように。

詳しく言えば、0から\(-2\)までの距離が「2」だけ離れているということなんです。

絶対値の外し方(その1)中学での外し方

さて、絶対値はそのまま計算することは、ほぼありません。

ほとんどの場合、絶対値を外してから計算を行います。(もちろん例外もあります)

それでは、実際に絶対値を外してみましょう。

ここでは中学校で習ったルールを使って外しましょう(復習)。

$$|-5|=5$$

$$|3|=3$$

$$|3|+|-5|=3+5=8$$

どうですか?3つともできましたか?

ルールの確認ですが、ここでは、マイナスがついていた数字に関してはマイナスをのけて外し、プラスの数についてはそのまま外しました。

もちろん正解です!!!(パチパチ)

ちゃんと外せましたね。ではなぜ高校数学になったら難しく感じるのでしょうか?見ていきましょう。

絶対値の外し方(その2)高校での外し方

実は、高校での絶対値の外し方は中学の外し方とは少し違います。

え???って思った人は、ココを乗り切れば絶対値なんて「ただの縦棒」にみえますよ!

ではいきますよ~♪

高校では・・・

$$|-5|=-(-5)=5$$

です!

なんと!!・・・一緒ではないか?って思った人!

高校では「マイナスのものはマイナスを付けて外す」のです。プラスの時の外し方は同じなので、省略しますが、これが実はものすご~く大事なのです。

高校では、数字を扱うより文字を扱うことが多いので、例えば\(a\)といわれてもこの\(a\)がプラスのものなのかマイナスのものなのかがわからないのです。

ココで考えてみましょう!\(a\)がマイナスの数なら\(|a|\)はどうやって外しますか?

中学までなら、マイナスが見えていたので、マイナスをのけてやれば外せました。

今回は\(a\)がマイナスの数なので、マイナスが見えません。

どうする?どうする?

「マイナスを付けて、プラスの状態にして外す」

これです!

絶対値の外し方(その3)文字が入った場合

その2までの内容を踏まえて、文字が入ったときの絶対値を外してみましょう♪

\(|a|\)に関して

(ⅰ)\(a≧0\)の場合、\(|a|=a\) (\(a\)がプラスなのでそのまま外す)

(ⅱ)\(a≦0\)の場合、\(|a|=-a\) (\(a\)がマイナスなのでマイナスを付けて外す)

です。ここで大事なのは、「絶対値を外した後は必ずプラスの状態である」ということです。

(ⅱ)の時なんて、ぱっと見ただけでは\(-a\)でマイナスがあるから、マイナスっぽいような見た目ですが、本当はプラスなんですね~。

中学との違いが、分かってきましたでしょうか?

練習問題

さて、実際に問題を解いてみましょう。

$$|x-1|=2x$$

(まずは、絶対値がついている状態では計算できないから、、、)「外そう!!」

(ⅰ)\(x-1≧0\)つまり\(x≧1\)のとき

\(x-1=2x\)・・・(そのまま外しました)

\(x=-1\)・・・(\(x\)について解きました)

\(x=-1\)は条件に当てはまらないので不適当。・・・(場合分けの範囲に入っていないので残念ながら答えになりません。)

(ⅱ)\(x-1≦0\)つまり\(x≦1\)のとき

\(-(x-1)=2x\)・・・(絶対値の中身がマイナスの数なので、マイナスを付けて外しました

\(-x+1=2x\)より\(3x=1\)

\(x=\frac{1}{3}\)・・・(\(x\)について解きました)

\(x=\frac{1}{3}\)は条件を満たす・・・(場合分けの条件にしっかり当てはまります。)

(ⅰ)(ⅱ)より\(x=\frac{1}{3}\)・・・(最後に結果を書きます。完成!)

グラフによる考察(おまけ)

少しだけ、グラフでも考えてみましょう。

今回の絶対値の問題は、実は・・・

\(y=|x-1|\)のグラフと\(y=2x\)のグラフの共有点の\(x\)座標を求めていることと同じなんです。

なので、実際にグラフ作成ソフトで確認してみましょう♪

Geogebraというソフトで書いてみました。

\(x=\frac{1}{3}\)のところあたりで交わっているように見えます。

最後に・・・

どうだったでしょうか?ちゃんと最後まで解ききれましたか?

高校に入って初めての場合分けです。お疲れさまでした。これで絶対値マスターですね♪

今回、「中学で習った絶対値の外し方」と「高校で習った絶対値の外し方」の違いに着目して説明しました。

実際にはもう少し計算がハードなものもありますが、基本的な考え方は同じです。

理解できたら、持っている問題集などでどんどん練習してみましょう♪

きっと解けるようになっていますよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました