数Ⅲの極限\(\lim_{x→\infty}f(x)\)の求め方は感覚でやってはダメ(第2話)

数学Ⅲ極限

今回も前回に続きまして極限の計算をなるべくパターン化しながら書いていこうと思います。

それでは早速・・・

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\(a^x\)の形が入った極限の計算(基礎編)

指数関数の入ったものも結構ややこしいのでテキトーに処理してしまう人が多いのです。

まずは基本から抑えましょう。

(ⅰ)\(a>1\)のとき

$$\lim_{x→\infty}a^x=\infty , \lim_{x→-\infty}a^x=0$$

(ⅱ)\(0<a<1\)のとき

$$\lim_{x→\infty}a^x=0 , \lim_{x→-\infty}a^x=\infty$$

どうですか?大丈夫でしょうか?

具体的な数字を\(a\)に突っ込んでみると簡単に理解できます。

例えば、(ⅰ)に関しては\(2^x\)の\(x\)を\(\infty\)にしてみましょう。おそらく、限りなく大きくなるなって思ったはずです。

今度は、\(2^x\)の\(x\)を\(-\infty\)にしてみましょう。感覚的には\(\frac{1}{2^\infty}\) みたいな感じです(記述で書けませんが・・・)。

どうでしょう?限りなく大きくなるものが分母にあるわけですから、限りなく小さい数になるなって思ったはずです。

(ⅱ)についても同じ感じで\(a\)に\(\frac{1}{2}\)などを代入して考えてみると理解できます。

とりあえず、ここまで出来たら次に進みましょう。

\(a^x\)の形が入った極限の計算(\(\infty-\infty\)の不定形)

では実際にどのような問題を出題されるかを見ましょう。

$$\lim_{x→\infty}(4^x-5^x)$$

どうでしょう?これは\(\infty-\infty\)の不定形ですね。

それでは、前回と同様で、収束する部分を作って計算できるように工夫しましょう。

$$ \lim_{x→\infty}(4^x-5^x)=\lim_{x→\infty}5^x\{(\frac{4}{5})^x-1\}=-\infty $$

何をしたかわかりましたか?今回は\(\infty\)×(定数)の形を無理矢理作ってあげたのです。定数と言ったら語弊があるかもしれませんが。

今回だと「-1に収束する数」ということです。

0以外のある数に収束するものと\(\infty\)を掛け算すると\(\infty\)または\(-\infty\)に発散してとなり、計算ができるようになります。

ということは、数字の絶対値の大きいもの(今回なら「5」)の\(x\)乗で括ってやれば計算できそうです。

\(a^x\)の形が入った極限の計算(実践編)

ここまでくれば、指数関数系の極限はバッチリ!(なのか?)

それでは、応用問題行ってみよう!!(解説あるから心配ない!)

$$a>0のとき\lim_{x→\infty}(a^x-3^x)$$

こんな感じのどう?見た感じはシンプルに見えますが、基本ができていなければ何をしていいのかわからないはず!

まずは、 数字の絶対値の大きいものの\(x\)乗で括ってやれば できるんだったから、3と\(a\)のどちらが大きいのか気になりますね?

$$a>3のとき\lim_{x→\infty}(a^x-3^x)=\lim_{x→\infty}a^x\{1-(\frac{3}{a})^x\} $$

ここで\((\frac{3}{a})^x\)の\(\frac{3}{a}\)の部分は\(0<\frac{3}{a}<1\)となりますので、(基本編)で書いた通り0に収束します。

もちろん\(a^x\)の\(a\)の部分は3より大きいので\(\infty\)に発散します。

なので、、、

$$a>3のとき\lim_{x→\infty}(a^x-3^x)=\lim_{x→\infty}a^x\{1-(\frac{3}{a})^x\}=\infty$$

同じ考え方で、残りの場合もやってみましょう

$$a=3のとき0に収束$$

$$0<a<3のとき\lim_{x→\infty}(a^x-3^x)=\lim_{x→\infty}3^x\{(\frac{a}{3})^x-1\}=-\infty$$

どうでしたか?うまく計算できたでしょうか?

\(a^x\)の形が入った極限の計算(実践編?)

$$a>0,a≠0のとき\lim_{x→\infty}(a^x-3)$$

これとは区別しといてくださいね。「何が違うんですか?」ってよく聞かれます。

先に言うと全然違います。

この問題は簡単で、(基礎編)で書いたとおりに場合分けします。

なんで?って思いましたか?

3のところが指数関数になってないからです。

今回、指数関数が2つ以上ある不定形の計算のときに、収束するところを明らかにするための式変形を記述してきました。

なので、この例では、(指数部分が一つしかないので)指数関数の底の部分を比べる作業がないのです。

よって、、、

$$0<a<1のとき\lim_{x→\infty}a^x=0となり\lim_{x→\infty}(a^x-3)=-3$$

$$1<aのとき\lim_{x→\infty}a^x=\inftyとなり\lim_{x→\infty}(a^x-3)=\infty$$

どうでしたか?似たような問題でも場合分けの仕方が異なるので間違えないようにしましょう。

第3話へつづく・・・

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