今回は前回やった極限の親戚たちを紹介して、最後に練習問題をやっていこうと思います。
今回も公式がいくつか出てくるので、しっかり覚えていきましょう。
ちなみに、今回の内容でざっくりと極限の内容を話し終わる感じになりますが、
今後、ちょっとややこしい問題についても解説していこうと思いますのでよろしくお願いします。
では、始めましょう!
受験生の2人に1人が利用する圧倒的なわかりやすさ!まずは無料でお試し。入試頻出の極限①\(\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^x-1}{x}=1\)
公式
$$\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^{x}-1}{x}=1$$
これは正確には、ネイピア数 \(\mathrm{e}\) の定義なんですが、これは入試でも頻繁に出てくるので覚えておきましょう。
ちなみに、なぜこの式が前回の三角関数の極限と親戚なのかというと、「分母が\(x\)でともに「0」に近づく」ので形がそっくりなんです!!
ちなみに、上の式の逆数も
$$\lim_{x→0}\frac{x}{\mathrm{e}^x-1}=\lim_{x→0}\frac{1}{\frac{\mathrm{e}^x-1}{x}}=1$$
で同様に「1」に収束するので、これもついでに覚えておきましょう。
・・・もしかすると、学校で習ったときと定義が違う!って思った人もいるかもしれません。
そのことについて少し触れていきます(それもかなり頻出!)
ネイピア数の定義は2つ存在する
学校で習うときはもしかすると、
$$\lim_{x→0}(1+x)^\frac{1}{x}=\mathrm{e}$$
で教わるかもしれません。\(x\) の部分と\(\frac{1}{x}\)の指数の部分は逆数の関係の時に\(e\)に収束して、、、
イメージ的には\(1^\infty=\mathrm{e}\)(←実際に「1」ではない。限りなく「1」に近いもの。)
そして、大体 \(\mathrm{e}=2.71828182845904523536…\) くらいに収束します!って習うかと思います。
余談ですが、、、たま~に、小数第50位くらい暗記してる人もいますが、、、(マジで趣味のレベル)
まったくもって入試で使わないので2.718くらいで大丈夫です。
で、これは「収束数列による定義」でヤコブ・ベルヌーイによっての定義づけられたものです。(←どうでもいいけど)
教科書にも載っていますよね。
これも大事なのですが、
$$\lim_{x→0}\frac{a^x-1}{x}=1となるような実数 a を \mathrm{e} $$
つまり
$$\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^x-1}{x}=1$$
これも「オイラーによる定義」で、すごく頻出なんです。
この定義の使い方は、ネイピア数の指数部分と分母の部分が同時に「0」に限りなく近づくときに使えます。
入試頻出の極限②\(\lim_{x→0}\frac{\log(1+x)}{x}=1\)
公式
$$\lim_{x→0}\frac{\log(1+x)}{x}=1$$
これは知らないっていう人もいるかもしれません。
これは先ほどの「ネイピア数の定義」を使えば簡単に証明できますので、覚えるためにも一度証明をしておきます。
証明
$$\lim_{x→0}\frac{\log(1+x)}{x}=\lim_{x→0}\frac{1}{x}・\log(1+x)=\lim_{x→0}\log(1+x) ^\frac{1}{x}=\log e=1$$
まず、分母の \(x\) の部分を指数部分に持って行きます。
そしたら、対数の真数部分に「ネイピア数の定義」が現れますので、そのまま \(\mathrm{e}\) に収束させます。
対数の底の部分は「\(e\)」が省略されていますので、最終的に「1」に収束します。
この公式も分母の部分が \(x\) で、かつ「0」に近づきますので、前回の三角関数の極限の形とよく似ています。
融合問題練習
さて、今度は今まで出てきた似た形の極限が混ざったものを練習問題で解いていきましょう。
まずは前回の復習
$$\lim_{x→0}\frac{\sin 2x}{\sin 3x}$$
どうでしょう?
$$\lim_{x→0}\frac{\sin 2x}{2x}・\frac{3x}{\sin 3x}=\frac{2}{3}=1・1・\frac{2}{3}=\frac{2}{3}$$
できましたか?できなかったっていう人は、前回の三角関数の極限を見直してみてください。
それでは、融合問題もチャレンジしてみましょう。
$$\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^{\sin{2x}}-1}{\log (1+3x)}$$
とりあえずやるべきことは、分母が「0に収束するので不定形である!」と確認すること。
不定形でないならそのまま計算できますので、このチェックは忘れないようにしましょう。
次に、分母のネイピア数の指数のところが「0」に収束することを確認してください。
そしたら、今回の「入試頻出の極限①」が使えそうなことがわかります。
ただし、使うにはネイピア数の指数部分と分母の部分が同時に「0」に限りなく近づくとき だったので、
分母には \(\sin 2x\) が欲しいところです。
ここまでを書いてみましょう。
$$\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^{\sin{2x}}-1}{\log (1+3x)}=\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^{\sin{2x}}-1}{\sin{2x}}・\frac{\sin{2x}}{\log(1+3x)}$$
これで、ネイピア数のところの極限は処理できました。
次に三角関数の極限→対数の極限と同様処理を進めていきます。
$$\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^{\sin{2x}}-1}{\sin{2x}}・\frac{\sin{2x}}{\log(1+3x)}=\lim_{x→0}\frac{\mathrm{e}^{\sin{2x}}-1}{\sin{2x}}・\frac{\sin{2x}}{2x}・\frac{3x}{\log(1+3x)}・\frac{2}{3}=\frac{2}{3}$$
どうですか?それぞれ、積の形のまとまりがそれぞれ「1」に収束して、最終的に \(\frac{2}{3}\) だけになりました。
まとめ
最後までお疲れさまでした。
今回は、入試頻出の公式をまとめてみました。
公式の形を知っているだけで、難しそうな極限も簡単に見えるようになります。
特に今回紹介した「三角関数の極限」「ネイピア数の定義」「対数の極限」は同時に出てくると非常に難しそうに見えます。
ですので、しっかり形を暗記して、問題が出たときに瞬時に対応できるように練習しておきましょう。
次回はよく入試に出るややこしい極限の話をしようと思います。
また次回をおたのしみに~
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